骨盤の歪みが恥骨の痛みを引き起こす要因のひとつ
骨盤の下の方で骨盤の前面部を形成し左右一対の骨が恥骨で、骨盤の一部となって恥骨結合という場所で左右の骨盤をつなぐ役割を果たしているのです。
産後に起こる恥骨の痛みは、この恥骨結合部付近に痛みが発生する症状で、その痛みはチクチクと刺すような痛みやズキズキとした重い痛みなど人によって違った起こり方をします。
また、歩行すると痛くなったり寝ている時に痛みが出たり、中には朝起き上がれなくなる程の強い痛みを感じる人もいます。
それから、妊娠中から恥骨に痛みを感じる人もいますし、妊娠中は何もなかったのに産後に痛みが急に出る人など、痛みや発生の仕方は様々です。
ちなみに、初産よりも2人目・3人目の出産の時に起きやすいという傾向があります。
妊娠すると胎児が成長しやすく、また分娩がスムーズにいくように靭帯をゆるめる働きをするリラキシンというホルモンが分泌されます。
このホルモンの分泌が産後の恥骨の痛みの最大の原因と考えられていることです。
リラキシンにより靭帯が緩められることで、骨盤に歪みが起こって恥骨に負担がかかり痛みが起こってしまうのです。
また出産で恥骨結合が離開する恥骨結合離開が起こることで、恥骨結合部の開きが酷くなると痛みが起こってしまうのです。
この痛みは通常は産後1ヶ月程度で落ちついていきますが、人によっては半年以上痛みが続くといったケースも見られます。
このように長期間にわたって産後の恥骨の痛みが続く場合は、骨盤の歪みが酷くなっていることが考えられます。
また免疫力が低下している時に細菌が入り込んで恥骨結合部に炎症が発生している可能性も考えられるので、まずはかかりつけの医師に相談して検査を受けることが必要です。
このように痛みが酷い場合や痛みが長期間続く時には医師に相談する必要がありますが、そうでない時にはセルフケアによって痛みを和らげることも可能です。
痛みを緩和する方法としては、骨盤の歪みや緩みを治していくために骨盤ベルトを装着すると言ったものがあります。
装着することで徐々に骨盤が正しい向き・位置に戻していくことも可能ですし、骨盤ベルトによって恥骨周辺を締めることで痛みを軽減することにもつながります。
姿勢が悪いと骨盤はさらに歪みますし、骨盤が歪むと姿勢が悪くなってしまいます。
しかし、逆に正しい姿勢を心がけることで、骨盤の歪みを是正していくことも可能になるので、座る時や立っている時、歩いている時に背筋を伸ばし骨盤を立たせることを意識した姿勢をとるようにすると良いです。
特に産後は反り腰になっていることが多いので、正しい姿勢を心がけることは大事です。
適度にストレッチをすることで痛みを軽減することもできます。
ただ、少しでも恥骨に痛みを感じる場合には無理をしないことが大事で、無理をすると症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
それからセルフケアではありませんが、整体や整骨院で施術を受けて骨盤などの歪みを解消するのも痛みを改善する方法として考えられます。