【離断性骨軟骨炎の症状と原因】
離断性骨軟骨炎とは、関節の中の軟骨の一部が軟骨下骨層と一緒に壊死を起こし剥がれてしまう疾患です。
ひじ関節や膝関節によくみられる症状であり、小中学生によくみられる症状です。
性別では約2：1で、男性に多い傾向があります。
膝関節では、大腿骨の内側で発生するのが85%程度、外側が15%程度の頻度であり、まれに膝蓋骨にも発生します。
外側の例では、円板状半月に合併してしまうこともあります。
特に野球をやっているお子さんがなることが多く、別名「野球肘」とも言われています。
離断性骨軟骨炎が発生してしまう原因は、スポーツなどによって繰り返して発生してしまうストレスやケガにより、軟骨部分の下の骨に負荷がかかることにより発生することが原因と言われています。
負荷がかかって血流障害が発生してしまい軟骨の下の骨が壊死してしまうと、骨軟骨片が分離してしまい、進行すると関節の中に遊離してしまいます。
離断性骨軟骨炎の初期症状は、不快感や鈍痛感が出る程度であり、特異な症状は出ません。
関節軟骨の表面に亀裂や変化が生じてしまうと、痛みが強くなってしまいスポーツなどの動きに支障が出てしまいます。
さらに悪化すると骨軟骨片が関節の中に遊離してしまい、ひざの曲げ伸ばしの際に引っかかり感やズレを発生させてしまい、関節に骨軟骨片が挟まってしまうと膝がロックして動かなくなってしまうこともあります。
離断性骨軟骨炎は、初期段階で治療を受けると悪化させずに済みます。
少しでもおかしいなと思ったら、すぐに専門医に相談をしましょう。
【離断性骨軟骨炎の治療方法】
離断性骨軟骨炎の治療方法は、以下のような方法が挙げられます。
・安静
離断性骨軟骨炎の初期の場合は、運動を禁止して関節部分を安静にさせることで、ほとんどの場合改善します。
運動などの負荷がかかる動きは一切止めて、安静にしましょう。
安静は若い人の場合は効果が見込めますが、年齢が高い方には効果が見込めない場合があります。
・鍼灸治療で組織に修復を早める
鍼灸治療により、離断性骨軟骨炎の組織の修復を早めることができます。
整骨院や接骨院で受けることができるので、相談してみるといいですよ。
・出血治療
安静などの保存療法を続けても改善しない場合は、患部の数か所に穴を開けて出欠させることで治癒へとみちびく治療を行います。
骨軟骨片への血流改善を行うことで、症状を改善させる方法です。
・手術療法
保存療法で症状が改善しない場合は、手術により骨軟骨片を取り除きます。
剥がれた骨軟骨片が邪魔になっている場合、人口のピンなどを用いて固定します。
また、骨軟骨片が変形しており融合しにくい場合は、骨を切除する場合もあります。
離断性骨軟骨炎は、初期段階であれば保存療法で充分に改善ができます。
そのため、少しでもおかしいと思ったら早めに治療を受けることが大事となります。
お子さんの生活に大きく左右するので、周りの大人が察してあげて早急な治療を受けるようにしましょう。